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在宅医療・訪問看護の評価見直し—— 制度が整っても、患者・家族に届かなければ意味がない

2026/04/20

令和8年度改定で、在宅医療と訪問看護の体制評価がさらに充実します。でも、患者さんやご家族にとって「在宅支援」は、いまだ分かりにくい領域です。情報と導線の整備が急務です。


「訪問看護というのはどこに頼めばいいですか」

「退院後、自宅で療養できるか不安です」「訪問看護というのはどこに頼めばいいですか」「家族として何をすればいいか分からない」——入院中や外来診療の場で、こうした声を耳にすることは少なくないはずです。在宅医療や訪問看護の制度は整いつつありますが、患者さんやご家族にとっては、まだ遠くて分かりにくい世界です。

令和8年度改定では、質の高い在宅医療・訪問看護の確保が基本方針に掲げられ、地域で在宅医療に積極的役割を担う医療機関の評価強化、訪問看護の見直し、地域と連携した精神科訪問看護体制の評価などが示されています。また、D to P with N(医師・患者・看護師によるオンライン診療の同時実施)も推進される方向です。


「どこまでやってもらえるのか」が分からない問題

在宅医療や訪問看護に対して、患者さんやご家族が最も不安に感じることの一つは、「どこまで対応してもらえるのか分からない」という不透明感です。

  • 自宅での医療処置はどの範囲まで可能か

  • 急変時はどこに連絡すればよいのか

  • 外来から在宅医療へ、どんな手順で移行するのか

  • 訪問看護と訪問介護は何が違うのか

  • 費用はどのくらいかかるのか

こうした疑問が解消されなければ、在宅療養を選ぶことへの不安が先立ち、本来は在宅で過ごせる方が入院を希望するという状況も生まれます。制度面でいくら評価が充実しても、情報の届け方が整っていなければ、患者さんとご家族の意思決定を支えることはできません


ホームページに「在宅・退院後支援」の導線を

病院ホームページを見ると、外来・入院・診療科案内が中心で、「退院後の生活」や「在宅での療養支援」について整理されているページは、まだ多くありません。しかし、令和8年度改定の方向性を踏まえれば、在宅医療支援・訪問看護・退院後支援に関する情報は、より重要なコンテンツとして位置づける必要があります。

POINT

「退院したら終わり」ではなく、「退院後も支えます」というメッセージが伝わる情報設計が、患者さんとご家族の安心感につながります。

たとえば、次のようなページや情報が整理されていると、患者さん・ご家族の不安を大きく減らすことができます。

  • 在宅医療・訪問看護の対応内容と、対象となる患者さんの目安

  • 退院前カンファレンスや退院支援の流れの説明

  • 相談窓口(医療ソーシャルワーカー・退院支援看護師など)の案内

  • D to P with Nなど、オンライン診療と訪問看護の組み合わせ活用の説明



スタッフの案内をページで補う視点

退院支援の現場では、医師・看護師・MSWがそれぞれに説明を行いますが、患者さんやご家族は緊張や混乱の中でその説明を聞いています。後から「あの話、どこかで確認できないか」と思ったときに参照できる情報がホームページに整っていると、患者支援の実質的な質が高まります。

POINT

在宅・退院支援の情報は、「制度を説明する」のではなく、「患者・家族の不安を先回りして解消する」視点で設計することが大切です。言葉の選び方一つで、読む人の安心感が大きく変わります。


次回は、処遇改善と採用広報の関係を取り上げます。賃上げ対応が採用競争力にどう影響するか、広報の視点で考えてみます。


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